選ばれし者達(59)
香織が落ち込み、なかなか復活出来ない姿をみて、愛子はしばらく考えていた。
「ねぇ香織、元気出してよ。この間香織がくれた無料食事券で、おいしい物を食べに行こうよ。」
愛子は見かねて提案をしてみた
「行く!行く!、絶対に行く。」
香織は愛子の話を聞くと今まで落ち込んでいたとは到底思えない満面の笑顔で目を輝かせて答えた。
愛子は作戦大成功と思いつつ、復活の早さに関心していた。
そんな事をしている間に香織の家に着いた。愛子にとっては香織の家に来るのはかなり久しぶりの事だった。
香織は手慣れた様子で玄関の鍵を開けたが、まだ鍵を探している様子で、なんと玄関に鍵が3つもある事に愛子は驚いていた。一方、姫はよく来ているのだろうか、鍵の事は知っている様子で、黙って待っているようだった。
「お待たせ!、さぁ入って」
香織と共に家に入り、早速、香織の部屋に向かった。
「ちょっと待っててね。飲み物、ジュースでいいかなぁ?」
「そんな、気を使わなくていいよ。」
愛子がそういい終わると同時位に、「香織、ちょっとパソコン借りるね。」姫はそういうといきなりパソコンを起動させていた。
香織がジュースを持って戻ると姫はパソコンで香織のサイトにアクセスしているのはわかった。
しかし、ちらりと見えた画面は愛子には初めて見る画面だった。
「ねぇ、こんな画面有ったっけ?」
愛子が香織に尋ねた。
「あぁ、これね。愛子にはあまり見せたく無かったんだけど、愛子の成績表。」
「え?成績表?」
「そう、《民》の能力の覚醒状況とか書いてあるの」
香織が説明すると
「うん。問題無いみたいね。ちょっとバランスが悪いけど、合格ラインには行っているみたいだし、こっちから報告して置くね。」
姫は香織にそういうと、何やらファイルを添付してメールを出した様だった。
「ねぇ、どういう事?」
愛子は訳が分からず、香織に聞いてみた。
「そっか、説明していなかったっけ?《民》の合格認定には二人が合格を出すのが必要なの。と言う事で、私と姫の二人で、正式に《民》として合格と言う事で…まぁ正式には、まだちょっと残っているんだけど、今までの成績から問題ないのは分かっているから、見込み合格だけどね。後で愛子のおばあちゃんから正式な通知が来る事にはなるから。」
香織はニコニコしながら答えた。
「わかった。じょあ一様合格なんだね。」
「一様だよ?」
香織はなんだか強調をしている様だった。
「さて、じゃあ始めようよ。」
話を聞いていた姫が突然言い出した。
「始めるってなに?」
愛子はきょとんとしていた
「馬鹿ね、あんた何しにここに来たのよ。」
香織が愛子に話しかけると愛子は目的を思い出した。
「あ、そうだった。では香織先生、よろしくお願いします。」
「もう、愛子ったら、今日の先生は姫なんだって説明したじゃない?」
香織がそういうと姫は咳ばらいをした。
「あ、そういうば、そんな事言っていたね。」
「もう、愛子ったら…」
「それで、香織は私が教わっている間、何してるの?見物?」
愛子はふと気になり聞いてみた。
「残念だなぁ、肝心な事忘れてない?」
突然、姫が割り込んで言った。
「え?なに?」
愛子は気付いていないようだった。
「二人だけじゃ、無理でしょ?」
姫がヒントを出したが、愛子はまだわからない様子だった
「まぁいいや。とりあえずは始めようよ。まず、オーラの球を飛ばす奴からね。では姫様どうぞ」
香織は言った。
「ご紹介に与りました姫です。では始めます。」
姫が説明を始めた。
「まず、手に集中させて集める様にする。ある程度集中したら、指先に集める。更に指先1センチ位先に、集中を移してから、球が出来たら、意識で飛ばす。以上おわり。」
「ちょっと、そんな事言われても…」
愛子は戸惑っている様だった。
「大丈夫だってやってご覧よ。」
「うん。」
そういうと愛子は言われた様に集中を始めた。
指先に集中するまでは難無く出来たがやはり離れた場所に集中する事は難しい様だった。
「まぁいい線してるから、後は家で練習してよ。」
「え?後は家で?」
愛子はてっきり出来るまで付き合ってくれるかと思っていたので拍子抜けした感じだった。
「では次。相手の意思をコントロールする奴だったよね。オーラの球を飛ばす方法は球が出来た段階で、意識を込めて飛ばせば出来るから、この説明でわかるでしょ?と言う事で、いよいよ肝心な奴ね。」
姫がここまで話すと何故か香織は下を向き元気を無くした様に愛子には見えた。
| 固定リンク

