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選ばれし者達(49)


みゅーみゅーは10分程で学校についた。その足で職員室に向かうと、何故か誰もいない事に戸惑っていた。

廊下を進むと大会議室で人の声がするので、そちらに向かった。会議室の中にはほとんどの先生が集められていた。急な呼び出しに、どこのクラスの生徒が問題を起こしたのか、先生同士で話をしていた。

みゅーみゅーはすでに呼び出しの電話が来た時点で香織の話しから、事の真相を知っていたが、まさかそんな信じがたい事を話す訳にも行かずに適当に話しを合わせるしか無かった。

しばらくすると教頭が田中先生を連れ会議室に入って来た。
みゅーみゅーはその光景をみた瞬間に香織の話しが事実だった事を知ったが、他の先生には、どういう事なのか知るよしも無かったし、単なる偶然に入ってきたと思い気にも留めなかった先生もいた。

会議はいきなり田中先生の謝罪から始まり、教頭から今日付けで退職する旨が告げられた。これからの対応については順次決めると言う話しで、いよいよ会議の本題が始まった。

内容は田中先生がやった痴漢の内容の説明とこれまでの経緯、まだ知られてはいないがマスコミへの対応などが話し合われた。

その後に、授業のローテーションや生徒へのケアの話しになり、みゅーみゅーが大きな役目を追う事になった。

会議は片付けを含めるとすべてが終わったのは夜0時を廻っていた。

みゅーみゅーはただ一人、別の意味で驚いていた。そして、香織の事について真剣に考えながら帰路についた。

ただ、この時点で先生方は大変な事を忘れている事に誰も気付かなかった。


翌日、香織は愛子の家に予定通り迎えに行き家を出た。

「ねぇ、香織。学校から休みの連絡有った?」
愛子は尋ねてみた。

「ううん。全然無い。まさか休みにするのを忘れたりなんかして…。」
香織は冗談半分で話しをしていた。

香織と愛子がこんな話しをしながら学校に向かっている頃、朝出勤した先生は朝練をしている生徒を見て、休みにする事が伝わっていない事実に気付いた。

会議の冒頭で学校を休みにする話しは出ていた。しかし、あまりにも会議が長引き結局生徒に連絡できないまま、朝になってしまっていた。

慌てて教頭に連絡をして各担任から連絡網で臨時休校の事実が廻された。

しかし、そんなバタバタのなか愛子と香織は連絡を受ける間もなくとうとう学校に着いてしまった。
そして、朝早く学校に来ていた一部の生徒同様に校門の前にいた教師によって学校が休みになった事実を知った。

「ははは、やっぱり、休みだ。」

「うん。そうだね。ねぇどうする?」
愛子と香織でこんな会話をした後、とりあえずは学校前にある喫茶店に入った。

「そうそう、愛子。約束のビックパフェ今日、おごるよ。」
香織は以前の約束を思い出した。

「え、いいの?」
愛子は少し驚いて返事をした。

二人はビックパフェをたべながら、これからどうしようか話しをしていた。先程の先生の話しではまた会議をするとの事だから、多少遊んでも大丈夫だと思いながら、世間話をしながら、パフェを食べていた。

その時に愛子の携帯にメールが入った。母からだった。

【今、学校から連絡網で今日は臨時休校で自宅待機だって、急いで帰って来なさい。悪いんだけど、帰りにスーパーで粗塩を買って来てね。】
愛子はこのメールを見るなりため息をついた。

「何?どうしたの?」
香織は愛子の様子をみて尋ねた。

「これ、見てよ。」
愛子は携帯電話を香織に渡しメールを見せた。

「これがどうかしたの?」
香織は愛子のため息の意味が全く解らなかった。

「ねぇ香織?粗塩って買った事ある?」
愛子は香織に聞いた

「え?塩でしょ?なんで?」

「そっか…ねぇスーパーに付き合ってくれる?理由がわかるから…。」

「うん、いいよ。」

二人はビックパフェを食べ終わると喫茶店を出てスーパーに向かった。

香織がカゴを取り、中に入ろうとすると愛子はすかさず、台車を持ち出した。

「え?たった塩1つ買うのに、押して行くの?」
香織は驚いて聞いた。

「まぁ、必要になるから…」
愛子はそう言うのと塩を売っている、棚の所に向かった。

「香織、悪いんだけど、私持てないから、その塩を取ってくれない?」
愛子は香織にお願いをした。

香織は何で自分で取らないんだろうと思いつつ片手で塩の袋に手を伸ばし、持ち上げようとした。
「え?重い…。」
香織は驚き、仕方なく両手を使い持ち上げた。
「愛子、ねぇちょっとこれ何キロあるの?」

「5キロ…」

「え゛5キロ?!」
香織は余りの重さに驚いた。

「だから、ため息も出るし、押して行きたくなる気持ち分かるでしょ?」

「ははは、そうだね。まるで拷問みたい。」
香織は笑いながら答えた。

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