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2009年2月

選ばれし者達(43)


「ねぇ…私の弱点って何?」
愛子は気になり香織に聞いた。

「うん。それは、オーラの防衛力が弱いことなんだ。つまりは簡単に外から波長を合わせていじられると、影響を受けちゃうって事。」

「あんまり、よくわからない。」

「つまり、私がちょっと力を使うと、愛子、簡単に気を失っちゃうでしょ?バリアが弱いと言えば分かりやすいかな。」

「うん。簡単に倒れちゃうのは確かにそうだけど…。それって香織が強いからだと思っていた…。ねぇ、それより、それって鍛えられないの?」

「残念ながら難しいんだよね。生まれながらの物が大きくて、そんなには強くはならないんだよね。でも愛子の《民》の力には関係ないからそんなには問題じゃないんから安心して。だけど、弱い事は確かだから、知っておいた方がいいと思う。でも、実は《民》って何らかの弱い点がある事が多くて、私なんかはスプーン曲げとか苦手なんだよね。これって意外でしょ?」

「へぇ、全然知らなかった。」

「まぁ、だからあんまり気にしなくていいよ。あ、そうそう、愛子に渡したい物があるんだ。」

「何?」

香織はポケットから小さな帳面を取り出した。
「ちょっと待ってね。」
そう言うとページをめくり、何枚かのページを切り取り愛子に渡した。

「え?何?」
愛子が渡された物を見ると
【スペシャルバーガー無料券(2名様まで有効)】
【焼き肉60分食べ放題無料券(女性限定2名様まで)】
と書かれた紙だった。

「ねぇ愛子。これ以前約束した、おごるって言った奴ね。この間、頑張って福引きでクーポン券を当てたんだ。どれも2人までだから、一緒に行こうね。」
香織はニコニコしながら、言った。

「すごい!。よく当たったね。」

「これ根性で当てたんだ。後はケーキバイキングとビックパフェだったよね。しっかり覚えているから、きっとご馳走するからね。」

「うん。わかった。」

「あと、班を譲る話しね。あれは、愛子にオーラを球にして飛ばすのを教える時でいいかなぁ?紹介したい人がそっちの方に強い人だから、私より教え方が上手いから…。」

「うん、いいよ。」

「あとは夜の電話でね。実は私もいろいろ有ってね。他にも、まだはっきりしてないから言えないけど、今日、大変な事が起こりそうな感じなんだぁ…」

「うん、いいよ。じゃあ夜ね。」
愛子は微笑みながら答えたが、この時は、さりげなく香織が言った大変な事が、本当に大変な事になるとは、まだ知るよしも無かった。

時間的にそろそろ昼休みも終わる時間になり、バラバラにトイレを後して教室に戻った。


午後の授業も難無くこなし、本当は香織とどこかで待ち合わせをして話しをして家に帰りたかったが、香織の都合を聞き仕方なく一人で家に帰る事にした。

香織の方は、変な胸騒ぎがあり、学校では禁止になっていたが携帯電話の電源を入れメールの確認をした所、驚くべき内容のメールが入っていた。
しかし、まだ香織自体メールの内容について確証がまだ無かった。
香織はしばらく考えてから、まずは朝に交わした約束もあり、みゅーみゅーの元に向かう事にした。

みゅーみゅーは保健室で香織が来るのを待っていた。

「香織さん。待っていたわ。話しって何かしら?」

「先生、プライベートな話しなんで、二人きりで話しがしたいんですけど…。」

「いいわよ。じゃあ、生徒指導室に行きましょう。あそこなら、誰も来ないしね。」
左藤先生はそう言うと香織と友に生徒指導室に入った。

「さて、話しは何かしら?」
早速みゅーみゅーは話を切り出した。

「実は、私の事なんですが、先生、私が少し違う事知っているんでしょ?」

「違うって何が?」
みゅーみゅーは何の事なのか全くわからなかった。

「先生、私と愛子は、何が違うって言っていたでしょ?」

「あ、あの話ね。確かにそうね。何かあなた達違うわね。」

「その事なんですが、先生絶対に秘密にしてもらえますか?」

「一様、生徒の秘密は守る事になっているから、その辺は秘密にするけど、そんなに秘密にしたい事なの?」

「はい。」
香織は《民》の事について話すべきか悩みながら、落ち着いて話しを始めた。

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選ばれし者達(42)


愛子は教室に向かう事にした。

今頃は香織の本意では無いにしても、愛子が学校に来た事をクラスの中で話題にして、いろいろと噂が飛び交っている頃だと思いながら、愛子は廊下を歩いていた。

教室手前に着くと、一度深呼吸してから、愛子は教室に入った。

予想通りに入った瞬間に一瞬の静寂があった。
やはり、いろいろと詮索していたのは確かな様だった。

席に着くと、教科書などを机の中にしまいつつ、力を使い教室の中の様子を力を使いみてみる事にした。

休む前と比べ、明らかにピリピリした空気があった。しかし、大きく別れていた派閥が無くなり、小さいグループが沢山になり、それらの間で壁を作っている様だった。

愛子は何が有ったのか、これも香織の仕業なのか全くわからなかったが、何が変わってきてるのは確かで、もしかしたら、これに香織も少しは何か関係しているのは確かなんだろうと思った。

しかし、何にしてもいろいろ考えても仕方ないので、担任が来るまでの間に、早速愛子は香織からの課題に取り掛かる事にした。

『え?簡単じゃん。』
意識を教室全体に広げてみると、力があるオーラを出している人をあっけなく見つけだす事が出来た。
ざっと4人。とりあえずはこの4人を答えにする事にして、紙にメモをしておくことにした。

香織の方を見ると、寝ているのか、また力を使って何か探っているのかわからないが机の上に伏せたままだった。

そんな事をしている間に担任が教室に入ってきた。

「いよいよ、後期の試験の時期が近づいて来たが、今回は新しい試みとして、試験の予定について、みんなの意見を聞いてみる事になった。
まずは例年の様に、試験日を4日間に分けて、午後はカットにする方法。
次が、試験日を1日短くする代わりに、試験を1日6時間にしてやる方法。

みんなどっちがいいか考えて欲しい。

全クラスの多数決で、決めるので、明日の朝までに考えておくように。明日の朝、どっちがいいか聞くからな。」

そう話をすると、担任は教室を出て行き、間もなく教科担任が来て授業が始まった。

愛子の通っている学校は、珍しく試験が2回しかない。まぁ学校の方針だから仕方ないと思いつつも、試験の範囲が広いし、勉強も大変なので、生徒の間ではあまり評判はよく無かった。

授業が始まり、休んでいた間に、確かにかなり遅れてしまってはいたが、ある程度自宅で予習をしていた為か、授業の内容についていく事は出来た。

愛子は、休み時間に香織から呼び出しがあるかと思って用意をしていたが、呼び出しはなく、とうとう昼休みになってしまった。

昼食に買ったパンを食べ終わる頃に、やっと香織から呼び出しが掛かった。

愛子は、香織に腕をひっぱられ、トイレに連れ込まれた。

「愛子、課題の結果を教えて。」

「うん、これ。」
愛子は、課題の答えを書いたメモを香織に渡した。

「まぁ、合格かな?こんなもんでしょう…」
香織がさりげなく合格を口にした事に、愛子はもう少し、嬉しそうに合格を出してくれると思っていた事に、ちょっと残念な気分になった。

「ねぇ、朝、みゅーみゅーの所に行った時に話していたけど、放課後にあの話しをするの?」
愛子は香織に聞いた。

「うん、まだすべては話すつもりはないけど、ちょっと、その肝心な友達について、探りを入れてみようと思っている。まぁ、私が《民》の事はバレても構わないけと、愛子の事はまだ隠しておくつもりだよ。」

「なんで、私の事を隠しておくの?」
愛子は意外に感じていた。

「だって二人の関係を隠しておきたいから、まだいいかなって思って。」

「あ、そうなんだ…」

「あ、愛子、今日本当は、帰りにどこかで会って話しをしたかったけど、多分遅くなるから、電話するね。例の力の使い方を教える件は、また今度時間を作るからさぁ…」

「うん、いいよ。でも、合格出来てよかった。怪我したから大分時間が掛かっちゃったよね。」

「まぁ、あれは事故だったからね。でも、そのせいで、意外な事もわかったから…」

「意外な事って何?」

「うん、簡単に言えば、愛子の弱点かな?」
愛子は、自分の弱点が、香織によって見つけられてしまった事が、香織でよかったと思いつつ、悔しい様で複雑な気分になった。

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