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2008年3月

選ばれし者達(24)

「ねぇ、それより前から疑問なんだけど、香織が課題にしている民になる途中の人って私のあの鍵の謎も分かっているって事?」
愛子は心配になって香織に聞いてみた。

「大丈夫だよ。」
香織はあっさり答えた。
「あのね。課題にしている人は、力をつけた所で草の民になる位が限界だから愛子みたいに広い範囲での波長の読取りが出来ないし、今の段階では、見て波長の読取りも出来ないし、昔の愛子みたいに鍵を握ったにしても愛子みたいに数秒じゃ出来ないし、かなり集中しないと無理だから分からないと思うよ。」
香織は細かく説明した。

「安心した。」
愛子は安堵して答えた。
「後さぁ、あのオーラを玉にして飛ばしていた奴、あれって香織が相手をコントロールする為にやっているんでしょ?何をしようとしているの?」
愛子はふと感じた疑問をぶつけてみた。

「あれね。ちょっと聞き出したい事が有ってね。相手に抵抗されない様に細工をしようと思ったんだ。」
香織は隠して置けないと思い答えた。

「そうなんだ。あれって私でも出来る様になる?」

「うん。出来る様になるよ。と言うか愛子は出来ないと困るかな?まぁすぐに必要にはならないけど、いずれ必要になる事かな。急ぐ事じゃないから気にしないで平気だよ。まぁ覚えたかったら私が教えてあげるからいつでもいいよ。」

「ありがとう。まずはあの課題をクリアしないとね。」
愛子は元気良く言った。

「もう少しだと思うから頑張ってね。」
香織は課題が出来るのは時間の問題だと思った。

「じゃあ明日ね。」
こういうと愛子は電話を切った。

愛子は自然な状態で視覚に頼らずに力を感じる方法について考えてみた。
試しに普通に椅子に座った状態で試してみたが、自分の近くの範囲しか感じる事が出来なかった。
『こんなんじゃ教室全体なんか分かんないなぁ。』
愛子は目を閉じてやると出来る事は分かっていたので集中力の問題だと思い、集中力を付ける事が先だと思いまずはその方法を考えないといけないなぁと思った。

それからしばらくは愛子は時をみては集中力を付ける事を目標に訓練を家や学校など場所を問わずに続けていた。

訓練を続けて1週間後位より、目を開けたままどこを見ると無く、傍目からは辺りを見ている様な状態のなか約半径で20メートル程の範囲内ならオーラの波長を感じる事が出来る様になった。
『これだけ出来る様になれば、香織の課題出来るかな?』
愛子は一人つぶやき学校で授業中に試して見る事にした。

ある日の朝、実際に学校で試してみる事にした。しかしこれといって特徴のあるオーラの波長を出している人はいない様子でがっかりしたのだった。
そこで休み時間、愛子は力がある人が自分のオーラを抑えられない時について考えてみる事にした。そういえば愛子自身もオーラを小さく保つ事に苦労した経験から何かに集中している時には、オーラのコントロールが難しかったのを思い出した。

幸い次の授業時間はミニテストの予定だった。その時が絶好のチャンスだと思いその時に見つけて見ようと心に決めるとミニテストの時間が待ち遠しくなりワクワクしている自分に気付いたのだった。

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選ばれし者達(23)

愛子は以前使った紙に念を込めて香織にメッセージを出す方法を考えたが、教室で愛子から紙を投げる行為は不自然なので何か他によい方法が無いものか考えていた。
『何かいい方法ないかなぁ』
愛子の悩みとは関係無く香織は相変わらず明るく楽しく振る舞っている。
愛子は自分の机に伏せて目を閉じ方法を考えていた。その時ふと周りのオーラを感じてみようと偶然に思い付き試してみる事にした。
『あ!分かる』
席が近い香織のオーラはしっかり感じる事が出来る。
実際は見ずに、頭の中で思い描いた空間の中でしっかりと位置や力の大きさなどはっきりと感じる事が出来た。
さらに興味本位で、探る範囲を広げて見る事にした。
自分でも驚く位にクラスメイトの位置とそれぞれのオーラの力や大きさの差など明確に把握する事が出来るのに驚いた。範囲をさらに広げて教室すべてにしてもはっきり分かる。
愛子は、この方法なら香織の課題が出来るかも知れないと思いクラスメイト全てが揃う時に試して見ようと思った。

『でも駄目だぁ』
愛子は、クラスメイトが揃った時に机に自分が伏せた状態でも不審に思われない状況と言うのは、滅多には無い。
何か別の方法で同じ様な事をしないといけないと思い別の方法を考えないといけないと思った。

香織は愛子のこの気付きに全く気付いていない様子だった。

『そっか、私は周りの力を感じているだけだから、私からは力を発していないんだ』
愛子は改めてこの方法だと自分から何も力を発していない事に気付いた。

その夜、愛子は香織に電話を掛ける事にした。

「あ、愛子。どう課題、誰だか分かった?」

「駄目…まだ分からない。ねぇ香織、オーラを玉にして飛ばしていたでしょ?あれ何?どうやるの?」
愛子は香織にいきなり尋ねて見る事にした。

「え?愛子あれ分かったの?かなりマイナーな波長を使っていたからバレないと思ったのに…やっぱりオーラの波動のコントロールに強い《輝ける者達》の人なのね。」

「そんな話はいいから、教えてよ。」
愛子は早く答えを知りたかった。

「分かったわ。あれ少しづつ私のオーラの波長に慣れさせる為の方法の一つなの。それで波長が合ったらこっちからコンタクトをするとうまく意思が通る様になるの。簡単に言えばマインドコントロールかな?
実はね。いずれは話すつもりだったんだけど、私は愛子と違って読取りの幅は愛子と同じ位はあるんだけど、発する方の波長の幅が狭いんだ。だから相手の波長を自分の波長に合わせる事が必要になる時があるの。まぁこれも民の能力の差なんだけどね。」

「そうなんだ。私知らなかった。」
愛子は香織より自分の方が優れている事があった事に驚いた。

「愛子。実は私より愛子の方が能力的には上なんだよ。今は私が教えている段階だけど、いずれは私より凄い事が出来る様になるから、多分愛子が私を使う様になる。あなたの《輝ける者達》って言うのは、実はエリートなんだよ。」
香織はこう諭す様に言ったが、愛子は改めて驚く事実だった。

香織はさらに続けた。
「そういえば最近、愛子何か変わった事やってるみたいじゃない?私からは何をやってるのか全く分からないんだけど。」香織は最近変わった事を始めた愛子の様子が気になっていた。

「あぁ。やっぱり香織、気付いているんだぁ。最近ね、視覚に頼らないでオーラの力を感じる事をしているの。端からは寝ているみたいに見えるけど、はっきり位置とか個人個人の力の強さとか分かるんだよ。」
愛子は素直に今出来る様になった事を話した。

「そうなんだ。今視覚に頼らずに感じる事をやってるんだ。じゃあ、答えが分かる時が来るのも時間の問題だね。やっぱり私の予想より早いね。流石にエリートだから違うのかな?」
香織はこう言った。

愛子は自分のやっている事が間違っていなかった事に嬉しくなった。

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選ばれし者達(22)

2章 民へ


香織の下で《輝ける者達》になる為の修行がいよいよ始まる事になった。

愛子は朝一番で香織に携帯で電話を掛けた。
「ねぇ香織、あんまりいじめないでよ?」

「愛子、そんな訳いかないでしょ?残念でした。」

愛子はいきなり甘えたお願いをしたが、あっけなく却下された。
「じゃあ、まず簡単な所から、実は同じクラスの中に以前のあなたの様に民になる途中の人がいるわ。それが誰か答えて。ただ今までと違って探す相手の力はかなり弱いわよ。だからそう簡単にはいかないと思ってね。期限は区切らないつもりだけど、半月位にしましょう。まぁそんなにかかる事は無いと思うけどね。」
香織は早速課題を出した。

「分かった。頑張ってみる。」
愛子は心配ながら答えて電話を切った。

愛子が学校に着くと早速見回して探してみた。しかし愛子には朝の時点では発見出来なかった。

休み時間を使い課題に取り組んでいたが、香織は相変わらず、愛子とは仲が良い事を思わせる様な事が無い様に全く無視をしているかの様に振る舞っていた。しかし、愛子は香織が気にして様子を探っているの事を十分に感じる事が出来た。
当の香織の方に目をやると周りの人と全く変わらない程度のオーラしか発していなかった。他の同級生も同じ様に見て見たが、特に変わった感じがする生徒はいなかった。
『やっぱり簡単にはいかないなぁ』
愛子は、この方法では埒があかないと思い何か別の方法を考えて見る事にした。

『香織はその人の事はすぐに分かったのかなぁ?当然見つけるのが役目だから見つけたのは確かだろうけど。香織は確かに力は私よりは上だけど、香織は草の民を使い探す事もしていると言っていたから草の民の力で見つけられると言う事は確かなんだろうなぁ。そもそも出来ない事をいきなり課題にする筈も無いし。多分、今までに私が身に着けた事の応用で出来ると言う事なんだろうなぁ…』
愛子は必死に考えてみたが分からなかった。
『分かんないよぉ』
愛子は訴える様な目で香織にヒントを求めたが、アッカンベーをされてしまった。

発想を変えて愛子は、能力がある人が出来そうな事を考えてみる事にしたが、どう考えても思い当たる事を考えてみたが分からなかった。

仕方なく、取りあえず課題を中断をして、香織の行動をしばらく観察すれば何かわかるのではないかと思った。

しかし香織の行動を見続けて数日は全くヒントになる様な事は無かった。香織自身は愛子が自分の行動を見ている事にはすぐに分かったが、普通に振る舞っていた。

さらに数日経った時に愛子は香織のオーラを見ていた時に今までに見た事が無かった現象を見る事が出来た。
『え!何?』
香織のオーラの一部が球体になり飛んで行き、同級生の一人に当たった瞬間にその人のオーラの一部が球体になり弾けた様になった。

オーラを球体にして飛ばすなんて言う事は愛子は初めて見る事だったし、やった事も無かった事だった。
しかし、香織がやったと言う事は何か意味が有ってやった事なんだろう。時を見て聞いて見ようと愛子は決めたのだった。

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