« 選ばれし者達(12) | トップページ | 選ばれし者達(14) »

選ばれし者達(13)

翌日、朝から教室内ではあちこちにグループが出来『例の書き込みをしたのは、愛子じゃないか?』という事でまとまりつつ有った。
しかし、親づたいに流れた『愛子の家にパソコンは1台しか無く、しかも感染していなかった』という情報で、犯人が愛子と言う説はすぐに消えた。

学級委員が自発的に感染した人の人数と宿題の提出が出来た人数を調べた。
感染して動作不能になったのは31人。しかし、パソコンが複数台、家にあり宿題が出来なかったのは26人と言う事がわかった。

同じ頃、職員室では担任と情報の教科の先生で、宿題の提出者が15人程しかいない事で、何が起きているのか?成績をどうするか?で話し合いをしていた。

しばらくして、ウィルスに感染したらしいと言う情報が入り、急きょ臨時に簡単に職員会議になった。そこでパソコンが動作不能になった人数を全校で調べる事になった。
この人数によっては、今回の成績の評価について検討しないといけないのではないか?と言う話も上がっていた。

いつもより早めにホームルームの時間が始まりパソコンが動作不能になった人数が調べられた。
しかし、パソコンが動作不能になったのは愛子のクラスが31人とずば抜けて多かったが、他のクラスでは数人程度で殆どのクラスは0と言う状況に教師達は、成績については特別な処置をしない事を決めた。

1時間目は愛子のクラスは情報の授業であり、宿題の件について、先生が生徒達に決まった事を話していた。

「知っての通り今回はウィルスに感染して宿題が出来なかったのは知っている。しかしこのクラスのみの出来事なので、特別な配慮はしない事になった。よって出来なかった者には、赤点を付ける事にする。」
先生は授業の冒頭にこう言い、さらに続けた。
「ウィルスの感染経路は知らないが、このクラスの生徒だけがずば抜けて多かった。つまり裏の掲示板か何かでの繋がりから感染が広まったんだろう。
どうせ、「先生がうざい」だの「宿題が面倒臭い」などと散々悪口や嫌味を書いて楽しんでいるんだろうが、そういう事をしているから、こういう事になるんだと思え!
とは言え、まさか26人に赤点を付ける訳にもいかないから、何か考える事にする。但し、簡単な事だと思うなよ。お前達が悪いんだからな。」
先生はこういうと授業を始めた。

休み時間や昼休みなど、どんな救済策がでるのかの話題で、もちきりだった。

今日の授業が全て終わり香織が帰る為に下駄箱を開けると、中に赤いマグネットが付いていた。

香織はマグネットを外して鞄の金属部分に付けた。

この赤いマグネットは、愛子からのいつもの漫画喫茶で待つと言う、待ち合わせの話が出来なかった時の最後の連絡手段だった。

香織は愛子が待ついつもの漫画喫茶に入った。

愛子は香織に言った
「ねぇ、本当にこれで良かったのかなぁ?」

香織は
「いいんだよ。みんなが愛子を理由なく苛めているんだから」

「でも…」
愛子は不安な顔をしていた

「大丈夫だって…」
香織はたいして気にしていない様子だった。

|

小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く