選ばれし者達(14)
光子は、昨日のバソコンのごたごたで、継承者の話が出来なかったので、今日こそは話をしようと朝から思っていた。
しかし、結局朝は何かと慌ただしく話す事が出来ず、帰ってきたら今度こそと心に決めた。
昨日までのごたごたの間、光子自身、一人で力の回復に向けてなんとか、完璧ではないが2段階目まではなんとか、マスターをした。
だが、未知のその先の3段階目には苦労していた。『やっぱり私はこの辺が限界なのかなぁ』こんな事を考えていた。
すぐに愛子が帰ってきた。
「ただいま…」
何故かあまり今日は元気が無かった。
「珍しく元気ないじゃん」
光子が話掛けた。
「たまには、そんな時だってあるのよ。」
愛子は、言った。
「愛子、ここ最近ごたごたしてたけど、継承者の件考えてるの?」
光子はやっと切り出した。
「分かってるよ。もう届いているんでしょ?光が使っていたやつ。」
「これがそう。」
光子は愛子に訓練用の教材を見せた。
「これが、指南書?」
愛子が指南書を手に取り表紙を開けた。
「へぇ面白い。字が浮いてでてくるだ…なんか魔法の魔術書みたい」
こうつぶやき関心していた。
難なく表紙を開けた愛子の様子を見た光子はとても驚いて言った。
「愛子。あなたこれ開いたの?」
「え?なんで、開くって開かない物なの?」
愛子はこの指南書自体を開く事さえ、ある程度の力が無いと開かない事を知らなかった。
光子が呆気に取られていると。
【まず、この本の波動を感じてみよ。出来たら、自ら発せよ。さすれば次を示す。】
愛子は、あっさりと指南書の内容を読み
「こんなの簡単じゃん!」
と言いあっと言う間に
【次の文字を読め、何時の波動を変えて見よ。さすれば、次の指示を示す。後は波動を合わす事にて次を示す。心得よ。】次の指示のステップまでの指示を読んでしまった。
あまりにも、簡単に1段階目の始めの難関をクリアしてしまった姿を見て、光子は開いた口が閉じなかった。
「愛子、あなた…」
光子はつぶやいていた。
「何?母さん。」
愛子は、自分が今自分がやった事の凄さに全く気付いていなかった。
「愛子、あなた波動のコントロール出来るの?」光子が尋ねた。
「あぁ、それなら出来るよ。光がやったって聞いて自分でもやってみたら出来ちゃったよ」
「出来ちゃったって言ったって…」
光子は唖然として続けた。
「だって、これが出来るって事は波動を読んで、自分で同じ波長に合わせられるって事よ。そんな事も出来るの?」
「そんな事も何も、波長を変えてマーキングみたいな事も出来るよ。」
光子は聞いてさらに驚いた。その内容は完璧に1段階をクリアしたという内容だった。そしてあまりにもあっけなくこなしてしまった愛子に唯唯驚くしか無かった。
「母さんもこの位は出来るんでしょ?」
愛子は光子に尋ねた。
「もちろんよ。」
あっさり答えたが、昨日なんとか苦労して再び出来る様になったばかりだった。
「それより、いつそこまで出来る様になったの?」
光子は不思議でならなかった。
「もうだいぶ前だよ。それより、これ私のなんでしょ?部屋に持って行ったいい?」
「それはそうだけど…」光子はあまりにも早い展開に戸惑っていた。
「あ、そうか…お母さんも出来ないと格好悪いよね。」
愛子は笑いながら言った。
「もう持って行っていいから、一人で出来る様に頑張りなさい。」
光子はこう言うのが精一杯だったが、心の中では愛子がもしかして本当に継承者になるのかもしれないと感じていた。
