目次

目次です。

1章 継承者

(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)

(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19)(20)

(21)

2章 民へ

(22)(23)(24)(25)(26)(27)(28)(29)(30)(31)

なお、この目次は最新の投稿に反映していない場合が多々あります(笑)

遅れて更新されることが多いのでその点ご了承ください。

※携帯電話からごらんの方へ

携帯電話からのアクセスの場合一部の機能が動かない事があります。ニフティの方で対応を検討していますが、周知のトラブルとしてご了承ください。

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選ばれし者達(31)

愛子は、初めての事だが香織に言われて試してみる事にした。
「わかんないよぉ。」
愛子はどうやったらいいかわからずにうまく出来なかった。

「愛子。私の写真も入っているからまずは私の写真を使って写真から判断する様にしてごらん。遠隔透視みたいだけど、実物が目の前にいるんだから、写真と同じ波長を感じ取れる感覚を掴むとうまく出来るよ。」

香織の助け舟を聞き愛子はなんとなくコツがつかめそうな予感がしてきた。

「わかった。やってみるね。」
愛子は早速写真の束から香織の写真を探した。
香織の写真は他のと違い、スナップの様に真っ正面を向きいつもと違い見たことの無い様な笑顔でピースをしている写真だった。
早速写真から波長の読み取りをしてみたが、何も感じなかった。《残留思念かな?》愛子は写真の残留思念を読み取ろうとした時に頭な中に突然に《ケーキ》のイメージが出てきた。
「香織、いろんな種類のケーキが次から次へと出てくるんだけど…」

「えっ…ケーキ?」
愛子がケーキて言った事を聞いた香織は動揺している様だった。

「うん。ケーキ。それもお皿いっぱいに乗せた入りきらない位のケーキ。」

「え゛…」
香織は完全に固まっていた。

「なに?」
愛子は香織に聞いた。

「実は、その写真を撮る前にケーキバイキングに誘われて、何食べようかな?って考えていた時の写真で…」
香織は白状した。

それを聞いた愛子は大きな声で笑い出した。
「香織、ケーキ大好きだもんね。だからこんなに笑顔なんだぁ…(笑)」

「まさかこんな事がバレるとは…。ちょっと想定外だったなぁ。」

「それにしても凄く沢山ケーキが出てきたけど…そういえば4次元別腹を持ってるって言っていたよね。どれくらい食べたの?」

「内緒だよ?30個位かな?ムース系ばかりだけどね。」

「30個?!…」
聞いた愛子は固まっていた。

「今度ケーキバイキングおごってあげるから、絶対内緒だよ?」

「わかったから」
愛子は約束をした。

「それより、愛子は写真からだと、写真が撮られた時の事が読み取れるタイプって事なんだね。他に何かわかる事ある?」
香織は愛子に聞いてみた。

「うーん。よく分からない。でも、この時、香織いつも力を抑えているのに、なんかうまく抑えきれていないよ。」

「え?って事はオーラの力とかわかるの?」

「うん。わかる。」
香織は意外な愛子の能力の開花に驚いていた。

「例えば、このケイコの写真。失恋したみたいで落ち込んでいるのに、ごまかしているのがわかるし…」
愛子は一枚の写真を手に取り言った。

「ちょっと待ってね。」
香織は愛子の話を聞き慌てて自分のかばんから、鍵の掛かる日記帳の様な物を取り出し、慌ててページをめくり何かを探している様だった。

「本当だ…確かに3日前に失恋している…。愛子凄いよ。」
香織は目を丸くして驚いていたいた。

「そんなにすごいの?だって写真にしっかり記録されているじゃない。」
愛子はただ感じた事を言っただけで凄いとは全然感じていなかった。

「愛子は写真からはその時の事を読み取れる能力のタイプって事なんだね。普通は写真からは、愛子の様にその時の事を読み取るタイプと、今現在を読み取れるタイプと、未来を読み取るタイプがあるんだよ。それで愛子は一番可能性が高い、今を読み取るタイプだと思って写真からの判別を試して見たんだけど、違ったんだね。」

「ねぇ、このタイプが違うてやっぱり問題なの?」

「ううん。全然大丈夫。《民》にはいろいろ能力差があるからね。全然大丈夫だよ。と言う事は、例の課題。まだオーラのコントロールが出来ないんだから多分愛子のこの力で出来ると思うよ。この写真の束から探し出してごらん。」
香織は自信を持って答えた。

「うん。やってみる。」

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選ばれし者達(30)

香織は続けた

「ちょっとこの仕組みを説明すると、このサイトにアクセスする段階で、携帯電話の登録データとメールアドレスで確認しているの。この事は大事だから覚えておいてね。パソコンからのアクセスにはクッキーを使ってる。この認識があってはじめて掲示板にログイン出来る様になってるの。
これで知っている人しか掲示板の存在すら知らない事になる訳。凄いでしょ?
後はログインだけど、これも携帯電話の情報とメールアドレスを使って判別してるの。パソコンからの書き込みはクッキーの情報とプロバイダのアクセスポイントとIPアドレスを使ってるわ。
つまり、これらの情報を使って書き込みをしている人の判別もしているの。
それで、画面を見るとわかるけど、これは私や愛子がアクセスした時だけにわかる仕掛けなんだけど、投稿者の色が赤なら投稿者が判別済み。黄色が推定段階で判別済み、青は未確認になってる。本当は誰かというのは名前の後ろにある括弧の中にある名前が本当の名前、確定出来ていない人は?が最後に着いてるからわかるやすいでしょ?。

個人の判別は私達の《探りし者達》の情報を使っているわ。だから時間が経てば青字の人も判別されていくから…。愛子は何もしなくても時間が経てばわかるから心配しなくていいよ。

もうほとんどの人は確定しているけどたまにしかアクセスしない人の中にはまだの人もいるわ。」

「凄いね。」
愛子は関心するしか無かった
「それより香織いじめとか大丈夫?」
愛子は今回の一件で香織がいじめられているのではないかと心配でしかた無かった。

「うん。実際の所いろいろと掲示板には書かれているよ。でもそんなに気にしないで大丈夫だよ。もう掲示板の内容は私が完全に把握している訳だし、ちょっといじれば情報操作も出来るしね。
それに愛子は完全に力が使える様になれば完全にクラスの事をコントロール出来るから大丈夫だしね。」
香織は安心している様だった。

「でも今はまだじゃない。なんか心配で…」

「平気だよ。これでも私はBクラスの《民》だし、何だったら人の弱みなんか簡単に手に入れられるから、それを逆手にとればいいし…。なんせ情報を操る《民》なんだから、情報を得るのは簡単だしね。」
香織は自信を持って答えた。

「ねぇそのBクラスって何?」

「あ、ごめん。うちの《民》の中では《民》の強さのランク分けをAからEで分けているの。ちなみに愛子の《輝ける者達》はAクラス。私達の《探りし者達》は大半がBクラス、《草の民》はCクラスがほとんど。まぁ他にも能力でランクが違う人もいるけどね。」
香織は愛子に簡単に説明をした。

「大体わかったわ。私のそのクラス訳を使ってもいい?」

「うん。いいよ。お互い決めておかないとうまく話が出来ないしね。」
香織は愛子に微笑みながら答えた。

「そうそう、もう1つ用事があるの。」
香織は続けた。

「ちょっとこの写真を見て」
香織は30枚位あるだろうか。写真の束をかばんから取り出した。

「これ何?」

「これね。様々な時に撮ったクラス全員の顔写真なの。愛子に出した課題の答えこの中から答えて」
香織は愛子にこう告げて写真の束を渡した。

渡された写真は休み時間や昼食の時間など、様々な時間に隠し撮りをした写真がほとんどだった。

「写真を渡されてもわかんないよ。」
愛子はいきなりの事に戸惑ってしまった。

「大丈夫たから、まずはやってごらん。愛子ならできると思うよ。」
香織は微笑みながら答えた。

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選ばれし者達(29)

香織は翌日も愛子の家にお見舞いに来た。
「愛子、調子はどう?」
香織は相変わらずのキャピキャピした感じで話かけてきた。

「うん。まぁまぁかなぁ?」
愛子は香織の元気の良さに少し圧倒されていた。

「今日も昨日のあれやってあげるね」
香織はそういうと愛子の横に座った。

「ちょっと香織…」
愛子は香織にそういう間もなく夢の世界に旅だった。

20分程して意識を戻した愛子は香織に言った。
「ちょっといきなり力を使うのやめてよ。」

「いいけど、あれめちゃくちゃ痛いよ?」
香織は答えた。

「そういう意味じゃなくて、いきなり失神させるのやめてよ。」

「あ、そういう意味ね。」
香織は笑いながら答えた。

「それより香織、毎日お見舞い来なくてもいいよ。」
愛子は香織に向かい言った。

「うん。そうだけど今日は用事があるの。」

「何?」

「この前のウィルス騒ぎの後でみんな闇掲示板の事がバレてあそこにアクセス出来なくなったじゃない?」

「うん」
愛子はあのウィルス騒ぎの事を思い出していた。

「実は私、新しい掲示板を立ち上げたんだ。」

「何?香織が?」
愛子は香織が掲示板なんて驚いていた。

「うん。ただ誰も私が作ったなんて知らないけどね。で、もう大分人が集まってきいるんだよ。
それで、実は他の誰も知らないことだけど、書き込みをした人が私にはわかるような仕組みにしてあるんだ。
それでね、愛子にも私と同じ様に誰が書き込みをしたのかわかるような設定をしたIDを登録したの。これがアドレスとIDとパスワードね。」
香織は愛子にメモを渡した。

「でも何でそんな事出来るの?」

「実は、元々は《民》用に動いていた情報収集用の一部の掲示板を私が自由に使える様になったからそれを利用する事にしたの。
当然私は管理者だから全てがわかる訳。そうそう当然愛子はこの掲示板の存在を知らない事になっているから、安心してね。
実は、この掲示板を《探りし者達》としての情報元にも使おうと思っているんだ。いい考えでしょ?」

「なるほどね」
愛子は納得した

「それよりちょっと複雑な作りになってるから、今アクセスしてよ。説明するから…」

「わかった」
愛子はとりあえず携帯電話からメモに掛かれたアドレスにアクセスをした。

画面には、接続パスワードを聞く画面が出てきた。

「これ何?」
愛子はいきなり現れたパスワード画面に驚いた。

「まずね。初めてのアクセスだから、メモの接続パスワードを入力してよ。まずこれが第一の関門で知らない人は接続すらできない仕組みにしているの。」
愛子は接続パスワードを入力した

「次に携帯電話の登録をするから、登録のボタンを押して。」

愛子は香織の指示に従って携帯を操作した。
ボタンを押すと、すぐに携帯からメール送信画面になり空メールを送信した。間もなくメールが届き改めてアクセスする為のURLが掛かれていた。

「このメールに書かれているページにアクセスして。」

愛子がアクセスをするとメールアドレスが登録されてやっと掲示板へのログインの画面が出てきた。

「ここでメモのIDとパスワードを入れて。」

愛子が入力をするとやっとアクセス出来た。

香織の作った掲示板は掲示板と言うよりはプロフに近くメールや自己紹介など出来る様になっていた。

「愛子、それでまずは下の方にある管理者アクセス画面のリンクに入って。」

愛子が管理者アクセス画面に入ると、《承認されました。》とだけ表示された。

「これで一様登録が終わったよ。腕が治ったらパソコンからもアクセスしてね。」

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選ばれし者達(28)

「それより香織、私もう少しで香織の課題出来そうな所だったんだよ。」
愛子はあの日の出来事について話し出した。

「あともう少しで分かるところだったのに、香織がいきなり凄い力を放ったから香織のオーラでみんな覆い尽くされちゃってわかんなくなっちゃって…」

「そうなんだ。じゃあ今度学校に行けばわかるね。」
香織は嬉しそうに答えた。

「ねぇ、香織の課題をクリアしたらどうなるの?」
愛子は香織に聞いてみた。

「うーん。まだ考えていないけど、もう1つ位課題を出したいと思っていたんだけど、予想外に力を身に着けているみたいだから、力の試験をしようかな?」
香織は悩みながら答えた。

「力の試験って?」
愛子はどんな試験か興味津々だった。

「まぁその時が来たら話すけど、実際に愛子の力を見せてもらおうと考えている。だってまだあれから、愛子の力を使った所は見せてもらった事ないしね。少なくても、私は愛子の下で動くんだから、やっぱりどの位の力があるか知りたいし、知らないと信頼して動けないしね。」
香織は答えた。

愛子は香織の言っている事もわかる気がしたが自分の力についてあまり自信が無かったのも確かだった。

「ねぇ。今度香織から教えてくれるって言っていた。オーラを球にして飛ばす方法とか、いじめられない様に気分を変える方法とか、今日香織が私にやった相手を気絶させちゃう方法とか、いつ頃教えてくれるの?」
愛子は早くいろんな事が出来るようになりたかった。

「そうだね。今度愛子の力を見せて貰ってからかな?その時の愛子の力の強さによって簡単に出来るようになるか分かるし、案外ちょっとしたヒントだけで出来ちゃうかもしれないし、その時に考えるよ。」
香織はこう答えさらに続けた。
「それより学校いつ来る?そのアザじゃちょっときたくないでしょう?」

「うん。2、3日は休もうかな?まだ腫れが引かないから引いてからかな?」

愛子は答えた。

「そうそう淋しいて思うからキティちゃん連れて来た。話相手にちょうどいいでしょ?」
香織は笑いながら15センチほどのぬいぐるみを取り出した。

「ちょってこれってキティじゃ無くてミミィじゃない?リボンが逆についているし…」
愛子がリボンが逆にあるのを見て言った。

「え!そうなの?ねぇミミィってミッキーマウスの彼女じゃなかったっけ?」
香織は思わず聞いた

「違うよ。ミッキーマウスの方はミニーマウス。こっちはミミィ。キティの双子の妹だよ。違いはリボンのついている場所。キティは右で、ミミィは左。だけど最近ミミィなんて珍しいよ。」
愛子はあっさりと答えた

「全然知らなかった。私リボンの場所なんて全然気にして無かった。
じゃぁそろそろ帰るね。また明日来てあげるね。」
香織はそう言うと帰っていった

愛子は香織が置いていったミミィをベッドの側に置いてあったけろっぴの横に並べて置き「仲良くしてあげてね。」と、つぶやき微笑んだ。

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選ばれし者達(27)

翌日、愛子は朝一番で退院をして自宅で静養をしていた。

午後になり香織がお見舞いにやってきた。
「愛子元気そうね。」

「うん。元気だよ。それより香織がうちに来た事がバレたら香織もいじめられちゃうよ。大丈夫?」
愛子は香織までいじめに遭う事が心配だった。

「大丈夫だよ。私レベルアップしたから、いじめられない様に相手の気分を変えられる事が出来る様になったんだ。愛子にも、もうちょっとしたら教えてあげるからね。そうしたらもういじめられない様になるよ。」
愛子は香織は話した事が信じられなかったが、真剣な顔から、もしかしたら本当かもしれないと思った。

「それより、香織、怪我が早く治る方法があるって言っていたけど本当なの?」
愛子は昨日の話を思い出し聞いてみた。

「あ、あれね。本当だよ。これからやってあげるよ。」

「え!今出来るの?」

「うん。でもちょっとね。」
香織はこういうと愛子が座っているベットの横に座った。

「ちょっと…何?」
愛子が怪訝な顔をして聞いた。

「かなり痛いから、ちょっと夢を見ててね。」
香織はこう言いかけたかと思うと、愛子の頭をだきしめた。

「ちょっと香織、ゆ…」愛子がいい掛けた瞬間に愛子は力が抜けた様に香織にもたれ込んだ。

「ごめんね。愛子。」
香織は優しく声を掛けると、微笑んで気を失っている愛子の骨折をした右腕を優しく両手で包み込み、手に意識を集中し始めた。

大体20分位した頃にまた、愛子の頭をだきしめ、手に意識を集中した。

その瞬間
「夢って言ったってそんな!」
愛子が突然に香織から逃れる様に押しのけながら言った。

「愛子終わったよ。」
香織は満面の笑顔で愛子に言った。

「終わったって何もしてないじゃん。」
愛子は香織に強く言った。

「愛子。時計を見てご覧?」

「え?時計?」
愛子は時計を見て驚いた。
「え?時間が…私、だって…」
愛子は完全に混乱していた。

愛子の感覚の中では、香織にだきしめられ、「ちょっと夢を見ていてね」と言われ「夢って言ったってそんな」と言って押し退けた。それだけだった。
しかし、時間は20分以上経過していた。

「私、タイムスリップした?」
愛子は真面目な顔をして香織に尋ねた。

「そんな事あるわけないって…愛子は全く気付いていないと思うけど、私がだきしめた瞬間に愛子は気を失って、その間に私が腕が早く治る様に力を使って治癒力を高める様にして、また愛子の意識を回復させたんだよ。」
香織はこの20分近くの出来事を話した。

「そんな事出来るの?だって私気を失ってなんかいないよ?」
愛子は真剣に訴えた。

香織はただ黙って微笑んでいるだけだった。

「じゃあ見ててね。」
香織は鞄から髪止めのゴムを取り出した。
「今、愛子の手には、何も付けて無いよね?」

「う、うん。」
愛子は何が始まるのか分からなかった。

「じゃあ良く見ててね。」
香織がこう言うと軽く愛子の頭に触れた。その瞬間に愛子はベットに倒れ込んだ。

香織は、髪止めのゴムを愛子の指にクロスになる様に人差し指から小指までかけていき、出来上がった時に愛子の体を起こして、頭に手を載せて力を集中した。その瞬間
「わっ!指!!」
愛子が飛び上がって驚いた。

「これで分かった?」
香織は愛子に話し掛けた。

愛子は目の前で起きた事が信じられなかったが、信じるしか無かった。

「ねぇ香織、これって私も出来るようになるの?」
愛子は香織に尋ねた。

「うん。出来るようになるとかの問題じゃ無くて出来ないと《愛の民》になれない…私がしっかり教えるから安心してね。お祖母さんと約束したしね。」
香織はニコニコしながら答えた。

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選ばれし者達(26)

「愛子、本当にごめんね。」
香織は、謝るだけて詳しくは話さそうとしなかったが、しつこい聞く愛子には逆らえずに素直に話をした。

愛子は自分の怪我の状態を知ってさらに驚いていた。
愛子自身は顔をぶつけた記憶が無いし、骨折した時の記憶も無かった。ただ愛子が覚えているのは、香織の「愛子」と呼ぶ声だけでその後の「ごめん!」と言った香織の言葉は聞いた記憶が無かった。

香織から状況の説明を聞いても貧血で倒れたと言う意識の失い形では無く、愛子自身が意識を失ったという感覚が無い程に瞬間的に意識を失った様で不自然だった。
そもそも、愛子は健康優良児で貧血で倒れた事は過去炎天下の時に1度あったのだけで、レバーの焼き鳥が大好物な愛子は普段から貧血では無かったから、倒れる事が不思議だった。

「ちょっと香織本当の事を説明してよ。」
愛子は香織に説明を求めた。

香織は観念したかの様に話し始めた。
「分かったわ。みんな話すわ。まず本当にごめんね。あれは事故だったの。私ね、2日前に《民》の能力が認められて、新しく力のコントロール方法を教わったの。
今回の事で今までは、地区長の指示で動いていた状況が自分の判断で動ける様になって、それに伴って力も強くなったの。
それであの時、力のコントロールの練習をしていて、力を小さく小さくする訓練をしていた最中だったの。
それで愛子が触れた瞬間に愛子の力も吸い取ってしまったみたいで、それで愛子は瞬間的に意識を失ってしまったみたいなの。
本当にごめんね。この力を吸い取ったり、逆に相手に注ぎ込んだりって元々は愛子の《愛の民》が一番得意な力なんだけど、愛子と私普段から近くにいるから波長が合ってしまったみたいで…。普段なら愛子の方が力が強いから、私の方が倒れるのが普通なんだけど、今回は不意打ちだったのもあるみたい。愛子にダメージを与えちゃった。
すぐに中断したんだけど完璧にタイミングと波長が合っちゃったみたいで愛子は多分瞬間的に意識を失ったと思う。
本当にごめんね。学校には、貧血って事にしてあるわ。《民》の事はしられていないから大丈夫だし、病院の治療費も学校内の事故扱いになったみたいで、保険からでるみたい。まずはゆっくりまずは休んで。」

「分かったけど…」
愛子はなんとなく事態が飲み込めた様だった。

「それより、なんで先に話してくれなかったの?つまりは香織偉くなったんでしょ?」
愛子は香織に聞いた。

「そうだけど、愛子もそうだけど、私もまだ上があって訓練とかしてる段階なんだよ。と言ってももうこれ以上は偉くなる必要もないけどね。もうすべて自分の判断で動けるから、不満ないし…」
香織は申し訳なさそうに答えた

「分かったわ。でも、香織のせいで怪我したんだから、後で何かしてよね。」

「分かったわ。じゃあもう私の判断で行動出来る様になったから、愛子が《輝ける者達》になったら私が愛子の情報収集役として動く様にするわ。これでどう?」
香織は愛子に約束をした。

「分かったわ。取りあえずはそういう事にしておいてあげる。」

「ねぇ愛子。それより、明日にでも退院出来るみたいよ。骨折は私が早く治る様に協力するから安心して。」

「早く治るって、そんな事出来るの?」

「まぁ、任せてよ。」
愛子は、香織の自信を持った返事を聞き一晩病室の中でどうやって治すのか、考えてみたが、分からなかった。

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選ばれし者達(25)

いよいよミニテストの時間が始まった。愛子はまずは自分の成績も気になるのでまずはテストに集中して回答を埋める事に専念することにした。
元々成績も良く完璧に理解していた内容だったので、思いのほか楽にテストをこなす事が出来た。

いよいよ、香織の課題に挑戦する事にした。

テストが終り机に顔を伏せて、意識を広げてみる事にした。

他のクラスメイトはテストに集中している。絶好のチャンスだった。
意識を教室すべてに広げた時に、明らかに異質なオーラの波長を出しているクラスメイトを見つけた。集中しているとオーラを強く発しているのが普通で、個々の生徒の存在がはっきり位置など分かる。その中で明らかに異質なオーラがある人を特定しようとした時である。突然に教室すべてを覆い隠す様な強烈なオーラがすべてを覆い全く分からなくてなってしまった。
出所はすぐ近くの席、香織だった。
愛子が、オーラを探っていると言う行為は香織には分かるはずが無く、それは全くの偶然の出来事だった。

それにしても今まで香織がこれほど強い力を出した事が無かったし、これほど強いとは全く知らなかった。仕方なく、香織の強力なオーラが収まるのをひたすら待つ事にした。
しかし、一向に収まらない。そんな事をしている間にミニテストの時間が終わってしまった。

続けて授業が始まり結局香織の課題をこなす事は出来なかった。
休み時間になり香織に文句を言ってやろうと思ってどう文句を言おうか考えているうちに授業が終わってしまった。

休み時間になり愛子は香織に文句を言おうと香織の席に近付いて行った。香織は目を閉じ休んでる様子だった。

「香織ちょっと…」
愛子が香織に声を掛けて肩に触れるか触れないか手を延ばした時だった。
愛子は指先から体の中身が吸い出されるかの様な不思議な感覚になった瞬間、『ふわっ』とした目眩を感じた。『え?何?』と思い体を支えようと腕を延ばそうとした時に遠くで香織が「愛子」と呼んだ様な気がした…。
後は何が起きたのか分からなかった。

周りにいたクラスメイトは香織の「愛子!ごめん!」と張り裂ける様な声で一斉にその瞬間を見てしまう事になった。

その瞬間、愛子は香織の肩に左手を置こうとした所、膝から崩れ落ちる様に前に倒れ、ムチを打つ様に顔面を前に有った机にとてつもなく大きな音を立てて強打し、倒れる時に「ゴキッ」と言う不気味な鈍い音が教室に響いた。

香織は、「愛子!」と泣き叫ぶ中、愛子は鼻血を流した状態で倒れていた。

見ていた女子のクラスメイトは悲鳴をあげ、偶然に通り掛かった体育の教師により、保健室に愛子は運ばれた。
目の前で倒れた愛子を見た香織はガタガタ震えただ泣きじゃくるだけだった。

保健室に運ばれた愛子は、まだ意識を失ったままだったが、腫れ上がった状態から、右腕を骨折しているのは明らかだった為に、救急車にて病院に運ぶ以外には無かった。

香織は自ら付き添いをかって出て病院に付き添った。

病院について愛子の状態はヒドいものだった。左顔面を強打した為に顔の半分に大きなアザが出来ていた。また右腕は肘から先の骨が折れていた。

愛子は3時間程して意識が戻ったが、事態が全く理解出来ない様だった。

「愛子、ごめんね。」
ベットの横に付き添った香織が意識の戻った愛子に真っ先に謝った。

「香織。何があったの?私、香織に話をしようと思って肩に手を延ばして…後はなんだか吸い込まれて、ふわっとして後は覚えていない。」
愛子は自分に起きた事を整理する様に話した。

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選ばれし者達(24)

「ねぇ、それより前から疑問なんだけど、香織が課題にしている民になる途中の人って私のあの鍵の謎も分かっているって事?」
愛子は心配になって香織に聞いてみた。

「大丈夫だよ。」
香織はあっさり答えた。
「あのね。課題にしている人は、力をつけた所で草の民になる位が限界だから愛子みたいに広い範囲での波長の読取りが出来ないし、今の段階では、見て波長の読取りも出来ないし、昔の愛子みたいに鍵を握ったにしても愛子みたいに数秒じゃ出来ないし、かなり集中しないと無理だから分からないと思うよ。」
香織は細かく説明した。

「安心した。」
愛子は安堵して答えた。
「後さぁ、あのオーラを玉にして飛ばしていた奴、あれって香織が相手をコントロールする為にやっているんでしょ?何をしようとしているの?」
愛子はふと感じた疑問をぶつけてみた。

「あれね。ちょっと聞き出したい事が有ってね。相手に抵抗されない様に細工をしようと思ったんだ。」
香織は隠して置けないと思い答えた。

「そうなんだ。あれって私でも出来る様になる?」

「うん。出来る様になるよ。と言うか愛子は出来ないと困るかな?まぁすぐに必要にはならないけど、いずれ必要になる事かな。急ぐ事じゃないから気にしないで平気だよ。まぁ覚えたかったら私が教えてあげるからいつでもいいよ。」

「ありがとう。まずはあの課題をクリアしないとね。」
愛子は元気良く言った。

「もう少しだと思うから頑張ってね。」
香織は課題が出来るのは時間の問題だと思った。

「じゃあ明日ね。」
こういうと愛子は電話を切った。

愛子は自然な状態で視覚に頼らずに力を感じる方法について考えてみた。
試しに普通に椅子に座った状態で試してみたが、自分の近くの範囲しか感じる事が出来なかった。
『こんなんじゃ教室全体なんか分かんないなぁ。』
愛子は目を閉じてやると出来る事は分かっていたので集中力の問題だと思い、集中力を付ける事が先だと思いまずはその方法を考えないといけないなぁと思った。

それからしばらくは愛子は時をみては集中力を付ける事を目標に訓練を家や学校など場所を問わずに続けていた。

訓練を続けて1週間後位より、目を開けたままどこを見ると無く、傍目からは辺りを見ている様な状態のなか約半径で20メートル程の範囲内ならオーラの波長を感じる事が出来る様になった。
『これだけ出来る様になれば、香織の課題出来るかな?』
愛子は一人つぶやき学校で授業中に試して見る事にした。

ある日の朝、実際に学校で試してみる事にした。しかしこれといって特徴のあるオーラの波長を出している人はいない様子でがっかりしたのだった。
そこで休み時間、愛子は力がある人が自分のオーラを抑えられない時について考えてみる事にした。そういえば愛子自身もオーラを小さく保つ事に苦労した経験から何かに集中している時には、オーラのコントロールが難しかったのを思い出した。

幸い次の授業時間はミニテストの予定だった。その時が絶好のチャンスだと思いその時に見つけて見ようと心に決めるとミニテストの時間が待ち遠しくなりワクワクしている自分に気付いたのだった。

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選ばれし者達(23)

愛子は以前使った紙に念を込めて香織にメッセージを出す方法を考えたが、教室で愛子から紙を投げる行為は不自然なので何か他によい方法が無いものか考えていた。
『何かいい方法ないかなぁ』
愛子の悩みとは関係無く香織は相変わらず明るく楽しく振る舞っている。
愛子は自分の机に伏せて目を閉じ方法を考えていた。その時ふと周りのオーラを感じてみようと偶然に思い付き試してみる事にした。
『あ!分かる』
席が近い香織のオーラはしっかり感じる事が出来る。
実際は見ずに、頭の中で思い描いた空間の中でしっかりと位置や力の大きさなどはっきりと感じる事が出来た。
さらに興味本位で、探る範囲を広げて見る事にした。
自分でも驚く位にクラスメイトの位置とそれぞれのオーラの力や大きさの差など明確に把握する事が出来るのに驚いた。範囲をさらに広げて教室すべてにしてもはっきり分かる。
愛子は、この方法なら香織の課題が出来るかも知れないと思いクラスメイト全てが揃う時に試して見ようと思った。

『でも駄目だぁ』
愛子は、クラスメイトが揃った時に机に自分が伏せた状態でも不審に思われない状況と言うのは、滅多には無い。
何か別の方法で同じ様な事をしないといけないと思い別の方法を考えないといけないと思った。

香織は愛子のこの気付きに全く気付いていない様子だった。

『そっか、私は周りの力を感じているだけだから、私からは力を発していないんだ』
愛子は改めてこの方法だと自分から何も力を発していない事に気付いた。

その夜、愛子は香織に電話を掛ける事にした。

「あ、愛子。どう課題、誰だか分かった?」

「駄目…まだ分からない。ねぇ香織、オーラを玉にして飛ばしていたでしょ?あれ何?どうやるの?」
愛子は香織にいきなり尋ねて見る事にした。

「え?愛子あれ分かったの?かなりマイナーな波長を使っていたからバレないと思ったのに…やっぱりオーラの波動のコントロールに強い《輝ける者達》の人なのね。」

「そんな話はいいから、教えてよ。」
愛子は早く答えを知りたかった。

「分かったわ。あれ少しづつ私のオーラの波長に慣れさせる為の方法の一つなの。それで波長が合ったらこっちからコンタクトをするとうまく意思が通る様になるの。簡単に言えばマインドコントロールかな?
実はね。いずれは話すつもりだったんだけど、私は愛子と違って読取りの幅は愛子と同じ位はあるんだけど、発する方の波長の幅が狭いんだ。だから相手の波長を自分の波長に合わせる事が必要になる時があるの。まぁこれも民の能力の差なんだけどね。」

「そうなんだ。私知らなかった。」
愛子は香織より自分の方が優れている事があった事に驚いた。

「愛子。実は私より愛子の方が能力的には上なんだよ。今は私が教えている段階だけど、いずれは私より凄い事が出来る様になるから、多分愛子が私を使う様になる。あなたの《輝ける者達》って言うのは、実はエリートなんだよ。」
香織はこう諭す様に言ったが、愛子は改めて驚く事実だった。

香織はさらに続けた。
「そういえば最近、愛子何か変わった事やってるみたいじゃない?私からは何をやってるのか全く分からないんだけど。」香織は最近変わった事を始めた愛子の様子が気になっていた。

「あぁ。やっぱり香織、気付いているんだぁ。最近ね、視覚に頼らないでオーラの力を感じる事をしているの。端からは寝ているみたいに見えるけど、はっきり位置とか個人個人の力の強さとか分かるんだよ。」
愛子は素直に今出来る様になった事を話した。

「そうなんだ。今視覚に頼らずに感じる事をやってるんだ。じゃあ、答えが分かる時が来るのも時間の問題だね。やっぱり私の予想より早いね。流石にエリートだから違うのかな?」
香織はこう言った。

愛子は自分のやっている事が間違っていなかった事に嬉しくなった。

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選ばれし者達(22)

2章 民へ


香織の下で《輝ける者達》になる為の修行がいよいよ始まる事になった。

愛子は朝一番で香織に携帯で電話を掛けた。
「ねぇ香織、あんまりいじめないでよ?」

「愛子、そんな訳いかないでしょ?残念でした。」

愛子はいきなり甘えたお願いをしたが、あっけなく却下された。
「じゃあ、まず簡単な所から、実は同じクラスの中に以前のあなたの様に民になる途中の人がいるわ。それが誰か答えて。ただ今までと違って探す相手の力はかなり弱いわよ。だからそう簡単にはいかないと思ってね。期限は区切らないつもりだけど、半月位にしましょう。まぁそんなにかかる事は無いと思うけどね。」
香織は早速課題を出した。

「分かった。頑張ってみる。」
愛子は心配ながら答えて電話を切った。

愛子が学校に着くと早速見回して探してみた。しかし愛子には朝の時点では発見出来なかった。

休み時間を使い課題に取り組んでいたが、香織は相変わらず、愛子とは仲が良い事を思わせる様な事が無い様に全く無視をしているかの様に振る舞っていた。しかし、愛子は香織が気にして様子を探っているの事を十分に感じる事が出来た。
当の香織の方に目をやると周りの人と全く変わらない程度のオーラしか発していなかった。他の同級生も同じ様に見て見たが、特に変わった感じがする生徒はいなかった。
『やっぱり簡単にはいかないなぁ』
愛子は、この方法では埒があかないと思い何か別の方法を考えて見る事にした。

『香織はその人の事はすぐに分かったのかなぁ?当然見つけるのが役目だから見つけたのは確かだろうけど。香織は確かに力は私よりは上だけど、香織は草の民を使い探す事もしていると言っていたから草の民の力で見つけられると言う事は確かなんだろうなぁ。そもそも出来ない事をいきなり課題にする筈も無いし。多分、今までに私が身に着けた事の応用で出来ると言う事なんだろうなぁ…』
愛子は必死に考えてみたが分からなかった。
『分かんないよぉ』
愛子は訴える様な目で香織にヒントを求めたが、アッカンベーをされてしまった。

発想を変えて愛子は、能力がある人が出来そうな事を考えてみる事にしたが、どう考えても思い当たる事を考えてみたが分からなかった。

仕方なく、取りあえず課題を中断をして、香織の行動をしばらく観察すれば何かわかるのではないかと思った。

しかし香織の行動を見続けて数日は全くヒントになる様な事は無かった。香織自身は愛子が自分の行動を見ている事にはすぐに分かったが、普通に振る舞っていた。

さらに数日経った時に愛子は香織のオーラを見ていた時に今までに見た事が無かった現象を見る事が出来た。
『え!何?』
香織のオーラの一部が球体になり飛んで行き、同級生の一人に当たった瞬間にその人のオーラの一部が球体になり弾けた様になった。

オーラを球体にして飛ばすなんて言う事は愛子は初めて見る事だったし、やった事も無かった事だった。
しかし、香織がやったと言う事は何か意味が有ってやった事なんだろう。時を見て聞いて見ようと愛子は決めたのだった。

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